「日本の企業が海外に出ていくことによって、もっと日本が元気になるお手伝いをしたい」と力強くおっしゃる株式会社コンパスポイント代表の岡田昇さん。

主に海外Amazonにおけるビジネスを支援するコンサルティングビジネスを行っています。

岡田さんは、自らの経験を基に豊富な知識と的確なアドバイスでクライアントを次々と成功へと導いています。

今回はEコマースの海外進出、特にAmazonでの成功の秘訣をお伺いしました。

 

Q:まず最初に、岡田さんの経歴と独立の経緯を教えてください。

岡田さん:私は、広島出身で東京理科大学への入学を機に上京し、大学では機械工学を学んでいました。

卒業後は短い期間ですがメーカーで製図をやっていましたが、そのあと、コンサルティング会社を経て、商社にはいりました。商社時代は、日本の石油プラント用の機器などを中東やアフリカ、ヨーロッパ等へ輸出する仕事をしておりましたが、あの震災を機に、色々考えるところがあり起業しました。

最初はアメリカ法人を作って、日本の商品を海外Amazonで販売。その時代にワールドファーストさんにも色々お世話になって、販売を続けていたんですが、そのうちに、企業さんから「どうやって売ればいいの?」と相談されることが増えたので、2015年にコンサルティングをメインとした会社、コンパスポイントを作りました。

 

Q:起業して、苦労したことは何ですか?

岡田さん:起業して苦労したことは、「選択と集中」をするまでがすごく大変でした。やれることがたくさんあって、多くのことにチャレンジをしてしまったことで、1つに集中できず、自分たちの尖ったところがつくれなかったんです。そこで、Amazonを選択し、集中したことで、みんなの意思がそこに向かうので、社内もまとまり、強みを発揮することができました。

もう一つ辛かったのは、社内のメンバー、人間的な問題でした。立ち上げ時に必要なる人材と、事業が軌道に乗って来てからの人材は結構違うので、初期メンバーはほとんど入れ替わってしまいました。これは結構つらかったというか、精神的にもしんどかったし、業務の引継ぎも大変で、苦労した点です。

 

Q:越境ECを始めるにあたって、まずは何が必要でしょうか。

岡田さん:もちろん売りたい商品があるということが大前提です。この商品をどうしても海外で売りたいんだという熱意のようなものも必要になってくると思います。

出品してすぐに売れるというケースばかりではありませんので、1年2年とかけてゆっくりと売っていく場合もあります。その間を耐えうるための資金力や、「思い」の部分がすごく必要だと思います。

 

 

Q:多くのマーケットプレイスがある中で、なぜAmazonなのでしょうか。

岡田さん:Amazonっていう理由はいくつかあるんですけれども、一番は世界のECの中で売り上げがナンバーワンというところですね。

それからAmazonは検索エンジンとしてもすごく優秀になってきているんです。例えばアメリカですと、オンラインで商品を買いたい人はGoogleよりもAmazonの検索窓から商品を探しているくらいです。

こういったプラットフォームを無視して、他のプラットフォームを敢えて始める必要はないと思うので、まずはAmazonでというお話をしています。

 

Q: Amazonの市場動向

北米がAmazonのお膝元ということもあり、市場は大きいです。が、それ故、競合他社も多く、強い商品力や価格競争力が必要になります。次のマーケットとして大きいのは、ヨーロッパですね。EUの販売アカウント1つで、ヨーロッパ5か国のアカウントが一緒に開けて、かつ周辺各国の方も購入するため、EUとしてトータルするとアメリカAmazon次ぐマーケット規模があります。次に注目されているのはインド。Amazonが今一番投資しているのがインドだと言われています。インドは数年内に日本のAmazonと同等規模まで成長するといわれていて、さらに10年くらい経てばアメリカAmazonと変わらない規模になると言っている専門家もいます。

昨年オープンしたオーストラリアは日本とは季節が逆ということもあり、シーズン物を扱う会社が特に参入に積極的です。

最近オープンしたばかりなのが、トルコAmazonです。こちらはまだ未知数ですね。

中国にもAmazonはありますが、マーケットシェア率が非常に低いので、日本からトライしている企業はほとんどありません。

 

Q:Amazonでの成功の秘訣を教えてください。

岡田さん:成功の秘訣と言いますか基本的なところとして、法律面とAmazon内のルールをしっかり理解する必要があります。

ここを理解しないままスタートしても、現地の通関が通らなくて販売開始できないとか、販売開始したけどAmazonのルールに引っかかって販売停止になったりということがあるんです。まず基本的なところはおさえる必要がありますね。

また、Amazonを使っているとはいえ貿易なので、全部自社で完結しようと頑張りすぎるのではなくて、いいパートナーを持って、任せるべきは社外に任せるということをした方がいいと思います。

また、事前に十分な調査を行うこと、そしてAmazonでの「販売開始」で「海外進出」を終わらせない。満足しないことです。

多くの企業さんはとにかくどんな形でもAmazonで「販売開始」した時点で勝手に売れていくものと思っていらっしゃる側面があります。

確かにAmazonが展開する世界の市場は大きく、非常に活発ですし、そういった企業さん、商品があることも珍しくありません。

ですが、一方で市場が大きい分、ライバルも多くいるのも事実です。

そのため、事前に本当に自社の商品に可能性があるのか調査し、その上で販売開始後に自社のブランドをどう展開するか、将来的に社内的にどういった位置づけにするかまである程度戦略を練ることが大事です。

 

Q:WorldFirstは越境ECを始める方にどのように活用いただけるとお考えですか?

岡田さん:海外のECマーケットで商品を販売する際に重要になってくるのは国際送金の部分なんですね。各国のECマーケットからは、日本の口座ではそもそもお金を受け取ることができないんです。そこで何らかの形で海外の口座が必要になってきます。

 

WorldFirstは一つの口座で複数の通貨を取り扱うことが出来るサービスですよね。日本側でもサポート体制がありますし、アカウントの開設時から開設後も基本的にはお金がかからないので、これから海外にチャレンジする方には必須のサービスになると思います。

数年前に私が海外のAmazonで販売していた頃、既にWorldFirstのサービスがありました。日本にいながら書類提出だけで口座が開け、非常に助かったということで、今でもお付き合いが続いています。

 

最後に、今後も日本の企業が海外に進出されるサポートをこれからも続けていきたい。日本の商品が世界のどこにいても、どのECでも、いつでも買えるという状態を作っていきたい、そして、日本企業が進出した国々をお子様と回るのが夢と語る岡田さん。

 

岡田さんのサポートによって海外進出した企業の活躍、さらには岡田さんご自身の活躍がこれから期待されますね。