「Amazon輸出は飽和した」
「Amazon輸出は稼げない」
このようなネガティブな噂を耳にしたことはないだろうか?
しかしながら、実際に弊社WorldFirstのサービスを利用しながらAmazon輸出やeBay輸出といった越境ECビジネスで成功を収めている個人・企業は数多く存在している。
セラーの話を伺う限り、販売方法や販売スタイルこそ千差万別であるが、そこに唯一共通している特徴としては「継続した販売(アカウントの維持)」を実現していることが挙げられよう。
そこで今回は、実際のトップセラーがどのようにして長期的にアカウントを維持しているのか、2016年から現在に至るまでAmazon輸出で稼ぎ続ける現役トップセラー「ぴーたろ」氏に、Amazon輸出で稼ぐために必要な「継続した販売(アカウントの維持)」のスキルについてお話をお伺いした。
Amazon輸出で稼げない最大の理由
はじめまして、ぴーたろと申します。
今回は、最新のAmazon市場の動向も踏まえて、Amazon輸出で稼げる人と稼げない人との差が何かについて日頃から感じていることを書き残したいと思います。
先に結論から申し上げると、私が最も重視しているポイントは「継続した販売(アカウントの維持)」です。
具体的な販売戦略や小手先のテクニックに目が行きがちですが、結局のところ危険性の高い販売方法には継続性がなく、長期的に稼ぐことはできません。
最近は、アカウント停止措置に対して、それまでの売上金もAmazonから没収される事例も発生しています。
特筆するまでもなく、アカウントの維持はビジネス運営に必須のスキルとなっていると言えるでしょう。
以下では、Amazon輸出で利益を上げ続けられるひととそうでない人の分かれ道になる「継続した販売(アカウントの維持)」について、私が重視しているポイントをまとめました。
継続販売に必要なポイント
継続した販売(アカウントヘルスの維持)のために、日頃から注意しているポイントは以下の4点です。
- アカウントヘルスの維持
- 知的財産権侵害の予防
- ストア販売実績の積み上げ
- Amazonの最新情報のキャッチアップ
それぞれ、重要なポイントに的を絞ってコメントをします。
アカウントヘルスの維持
まず、最重要なのがアカウントヘルスの維持になります。
Amazonではセラーの販売状況が逐一集計されており、Amazonが要求する水準を下回ると最悪はアカウント停止等の措置が取られます。
アカウントヘルスの中でも最重要なのがORD(Order Defect Rate)です。
ODRとは、要するに「購入者からのクレームが入っていないか」を計る指標で、このORDを“注文”の1%未満に抑えなければなりません。
また、ここで言う“注文”とは、「FBA」「FBM」注文とで分かれるため、それぞれの注文区分ごとに1%のボーダーを死守する必要があります。
ODRは以下の3要素から構成されます。
- 「Negative feedback(お客さんからの低い評価)」
- 「A-to-z Guarantee claims(Amazonマーケットプレイス保証)」
- 「Chargeback claims(チャージバック)」の3要素から構成されます。
それぞれの対応ポイントを記載しておきます。
① 「Negative feedback(お客さんからの低い評価)」
Negative feedbackに対しては、こちらに非がない内容の場合、Amazonに削除を要請をすることができます。
経験上、以下のような内容はほぼ100%削除ができます。
・商品に関する不満
・FBAの出荷に関する不満
・FBMの荷物が届かないという不満(こちらは追跡番号を提示が必要です)
基本的には自分から削除申請をしない限り、Negative feedbackは残り続けるため対応漏れがないように注意が必要です。
② 「A-to-z Guarantee claims(Amazonマーケットプレイス保証)」
A-to-z Guarantee claimsは、購入者がAmazonに返金を依頼した場合に発生します。
この点、購入者の主張に対して、セラー側の主張も受理され、最終的にAmazonの判断で返金されるかが決定されます。
ここで最終的に返金が決定されてしまうとORDに影響することになります。
日頃からきちんと販売をしていれば、何が起こっても抗弁ができるため問題はありませんが、1点の注意点としては購入者とのメッセージのやり取りです。
A-to-z Guarantee claimsの前に購入者からの問い合わせが合った場合、この問い合わせに48時間以内に返信をしない場合、自動的に返金処理がされる仕組みになっています。
そのため、日頃から購入者からの質問には適時に返答することを心がけています。
③ Chargeback claims(チャージバック)
Chargeback claimsは、決済に使われたクレジットカード会社に購入者が返金を申請した場合に発生します。
これもA-to-z Guarantee claims同様、セラー側の主張も受理され、最終的にAmazonの判断で返金されるかが決定されます。
経験上、Chargeback claimsでは出荷証憑の提出(追跡番号)が求められることが多いので、出荷に関する資料は確実に残しておくことをオススメします。
知的財産権侵害の予防
次に留意しているのが、知的財産権(商標権等)の侵害の予防です。
特に米国のAmazonでは知的財産権侵害の取り締まりが厳しくなっています。キャラクターものや大手メーカーだけ注意しておけば問題ないという時代は終わったと感じています。
目の届かないところで自社商品が海外で転売され、ブランドイメージが毀損されたり、顧客クレーム対応や訴訟対応に巻き込まれているメーカーが世界中でたくさんあるためです。
この点は、危険性の高いブランドやメーカーの見分け方に注意し、知財侵害が発覚した後も対応さえ間違えなければ危険を回避することはできます。
(参考情報)
ストア販売実績の積み上げ
次に意識しているポイントが、ストア販売実績の積み上げです。
これは「長期間の販売実績」「ストア評価」「過去のAmazon規約違反の有無」という観点で意識しています。
(参考情報)
Amazon輸出でストア評価を獲得する方法
これまでの経験上、Amazonではアカウントの調査という意味において、新規セラーと販売実績のあるセラーを画一に取り扱っていない印象を受けます。
特に若いアカウントほど、アカウント停止のご相談を受けることが多いためです。
例えば、先に述べたODRを例にとると、販売実績の長いアカウントの場合は1%を多少上回ってもアカウント停止までになることはありませんが、歴の浅いアカウントではこれらの数値は厳しく見られがちです。
※私よりも歴の長い知り合いの無在庫セラーさんは、6%を超えてもアカウントが止まらなかった事例もあります。
また新規アカウントの場合、大量に出品をするだけでもアカウントが審査に入る(一時的に販売ができなくなる)ケースもしばしばありますが、歴の長いアカウントであればそのようなことは起こりません。
これらはあくまで一例ですが、多角的に考えて、販売実績は長ければ長いほど望ましいと言えます。
Amazonの最新情報のキャッチアップ
最後に重要なのが、現地Amazon最新情報のキャッチアップです。
実際に海外のAmazonの最前線で販売をしていると、目まぐるしくビジネス環境が変わっていきます。
Amazon輸出のように海外市場を相手にする以上は、海外のAmazonの最新情報を英語でキャッチアップする能力が必要です。
Amazonでは、新しいプログラムや規約・ルール変更が本家の米国Amazonから行われ、遅れて欧州や日本などの市場にも反映されるケースが多々あります。
米国のAmazon.comの情報を先に知ることで、日本のAmazon.co.jpで何が起こるかの先読みも可能なため、国内で物販をされている方にも参考になると思います。
セラーにとって影響がある最新の情報はTwitterでも逐一拡散しているので、参考にしてもらえれば幸いです。
「継続した販売(アカウントの維持)」はAmazon輸出で稼ぐための必要条件
「継続した販売(アカウントの維持)」さえしておけば、Amazon輸出で稼ぐことができるというのは楽観的な考えでしょう。
しかしながら、Amazon輸出で稼ぐためには「継続した販売(アカウントの維持)」は必須スキルになっています。
その意味で「継続した販売(アカウントの維持)」はAmazon輸出で稼ぐための必要条件と言えるのではないでしょうか。
私自身、今回ご紹介した4ポイントを意識して、コツコツと愚直にビジネスを拡大させてきました。
これからAmazon輸出を始める方、既にAmazon輸出を実践している方、その両方に共通して求められるスキルであるため、参考になれば幸いです。
※以上の記事は作者によって提供され、当社(WorldFirst)は一切責任を負いません。
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【作者プロフィール】
CPAエクスポーターぴーたろ
2016年から副業でAmazon輸出・eBay輸出を実践
現在は副業から法人化を果たし、個人で越境ECを実践する方法から最新のAmazon輸出の情報までブログで書き残している
Amazon輸出はじめ方講座が好評